ERCM(有機物減容再生セラミック製造装置)とは何か?

有機物を分解し、無機質・多孔質なセラミック粉末へと再生するリサイクル装置

ERCMとは、Earth Resource Ceramic Machineの略です。
ERCMへの投入物は、有価で買取ができるセラミック材料へ再生されます。廃棄物の焼却炉等のような廃棄物処理ではなく、資源再生です。

【特許】
・国内特許取得済(第4580388号)
・米国特許取得済(USP No. 7,648,615 B2)
・その他国際特許

*熱分解:有機物を加熱することにより、有機物の分解・減容が促進されます(外部からの熱源は、加熱された炉床のセラミック粉末)焼却との大きな違いは、火災燃料ではなく、無火災燃料で、有機物の分子構造を熱によって破壊し、バラバラにする分解反応です。

ERCMの仕組みと反応

主な特徴

【低コスト】

  • 補助燃料が一切不要(低酸素濃度下における有機物の自燃・熱分解)
  • 消費電力が非常に少ない(20㎥/日の場合、電気代は10〜15万円程度)
  • シンプルかつコンパクトな構造(耐火材が不要等)
  • 運転・保守・メンテナンスが簡単(冷却水が不要等)

【高い減容性】

  • あらゆる有機物を、無機質のセラミック状の粉末に転換
  • 減容:1/100〜1/500程度(一般的な焼却炉:1/10〜1/20程度)

【低公害】

  • 熱分解処理中、ダイオキシン類、NOx類が非常に少ない
  • 熱分解処理中、煤塵が極めて少ない
  • 生成される灰は炭素残留量が極めて少なくうリサイクル可能(最終処分:ゼロ)
    *ただし、金属類、陶磁器、ガラス類等の不燃物は残渣となる
  • 低音処理のため、排熱がほとんど出ない

【高い安全性】

  • 炉内気圧はほぼ大気圧で爆発の危険性がない
  • 炉内温度も一部の熱分解を除き、100度前後
    ▷壁外温度も低く、稼働中も壁に手で触れることが可能

【運転人員が少ない】

  • 危険性が低いため、夜間無人運転が可能
  • 作業はほぼ投入作業のみで人件費が最小限

【100%リサイクル可能(最終処分ゼロ)】

  • 生成するセラミック粉末は、完全再利用可能

【処理困難物質も可】

  • 下記の物も直接投入が可能で、混在していても可能

排ガスの分析結果

熊本県において、熊本大学と共同で、一般廃棄物(模擬ゴミ)をERCmへ投入した時の排ガスの分析(炉直後→スクラバー後→排気ダクト後)を実施しました。(平成27年7月)
*模擬ゴミの投入量は紙:72、プラ:28、木屑:16、生ゴミ:72、衣類:12(kg /日)
排気ダクト後において、公害防止基準を満たしています。
*スクラバーとは、排ガス洗浄装置のことで、化学実験室や、酸熱分解、化学工場(メッキ工程、酸洗浄、溶剤洗浄、塗装工程等)などで発生する有害ガスを吸着、水洗、薬液中和処理して大気に放出する装置です。

従来の焼却施設と比較したERCMの利点

  • 設備費、運転費、保守費が極めて安価
  • 容易なオペレーション
    投入物(廃棄物等)の分別は不要で、金属やガラスなどの不燃物は灰中から容易に回収可能
    *ただし小型のペットボトルの大きさ程度のものに限ります。基本的には、目立つ大きさの不燃物は投入前に取り除いていただくと、ERCMの本来の良さが発揮できます。
  • 高含水率の廃棄物等も、熱分解可能
    通常の焼却炉ではそのまま焼却できない含水率の高い廃棄物等が直接投入できる
    *予備乾燥や補助燃料なしで、含水率80%程度の脱水汚泥ケーキの熱分解も可能
  • 生成物は、容易にリサイクル(最終処分ゼロ)
    ERCMで生成されるセラミック粉末は、炭素残留量が極めて少なく、後処理なしにリサイクル可能
    *当面新設されるERCMの敷き粉として再利用。将来的にコンクリートへの混合、水質浄化材等へ再利用する。
  • 環境汚物物質の排出が少ない

ERCMへ投入可能な有機物・廃棄物

*その他の投入物:駆除した害獣(鹿・猪等)、廃プラ再生工程の発生残渣。解体木屑等